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オタク今昔物語

TPPに振り回される 日本のオタク文化

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環太平洋経済連携協定(TPP)の議論のなかで、著作権侵害についての既定でアメリカから強い要望を受けていた、非親告罪への変更について、政府が方針を決定した。その方針のなかで「著作権侵害を告訴なしでも摘発可能」とする一方で、「オリジナル作品を基にした二次創作の同人誌は原則対象外」ということも発表された。

政府も認めた同人文化

 もともと著作権侵害は親告罪(権利者による訴えがないと摘発できない)というもの。例えば映画やアニメの海賊版(違法コピー)を販売している人物を取り締まるためには、著作権をもつ原作者や制作会社などの「販売されたことで被害を受けた者」だけ。これでは海賊版を発見しても、いちいち権利者経由でなくては警察が対応出来ず、それにより後手にまわり、結果被害が拡大する、とディズニーやハリウッドといった世界最大のコンテンツを保有するアメリカが強く変更を要望してきたのだ。

 しかし日本には同人誌(既存の作品の2次創作物)の文化があり。企業や作者がそれらの著作権侵害ともいえる2次創作について、黙認してきた風潮がある。そのおかげか、コミックマーケットやコスプレなど、海外にも広く知られるイベントが生まれたという背景もあり、その参加者からは、非親告罪となるとこの暗黙の了解を第三者が破って摘発されるのでは、と不安の声があがっていた。それを受けて政府も、方針に明示したかたちだ。実際の法整備までは油断は出来ないが、一先ずは同人がなくなることはなさそうで同人界隈では安堵の声がきこえる。


著作権保護と企業からのイジメ

 今回の政府方針に沿って法が整備されると、同人が守られるかというとそうではない。なにせ非親告罪の摘要外とは言っているが、親告罪は摘要されるからだ。つまり企業が摘発しようとすればいつでも出来るというのが実体だ。
 もちろん製作者の権利を守るためなのだから、作品を守るためにも必要なルールではある。またイベントの規模が大きくなるに連れて、参加者のモラルが下がっているというイベント主催者の声も実際に聞く。そういった一部の暴走を止めるためにも取り締まれる環境は必要だ。

だが「著作権侵害」を御旗に、企業による同人イベントに対するイジメのような出来事も起きている。1アニメのコスプレイベントを主催者した人物の話を紹介しよう。