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なぜ「人間やめますか?」と言われるのか。覚せい剤最大の副作用

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大きな代償を払う覚悟があっても・・・やめた方が良い


 覚醒剤使用の副作用とも言えるものに「フィードバック」がある。これは、本人の意思とは別に自分の記憶が不規則に思い出される現象で、一種の記憶障害とも言える。

 例えば、誰だって、おもしろい事を思い出せば、思わず思い出し笑いをする。辛かった事を思い出せば、つい表情が苦しくなる。人間の体が記憶によって反応しているわけだが、覚醒剤を使用する事により、神経に強い覚醒をもたらすことから、覚醒剤中毒者の神経は、健常者よりも異常神経となっていることから、これが主な原因となって、異常神経が、突然、さまざまな記憶を思い出させる。

 健常者が思い出し笑いをするのと同じように、フィードバックによってむやみに記憶を思い出した人は、まるで、今、そうなっているかのような感覚に陥り、その記憶に応じた行動をその場で起こしてしまう。仕組みは、健常者の思い出し笑いと同じだが、覚醒剤によって異常神経化している人間の記憶に準じた行動は、常識離れしたものが多い。

 突然、満腹感を思い出して、食事前に「おなかいっぱいだ」と何度も言ったり、入浴中に、突然、風邪をひいていた時の記憶が思い出されて「風邪をひいているのに風呂に入ってちゃいけない」となって浴室から飛び出したりする。本当に、一種の記憶障害である。

 覚醒剤経験者が、健康を取り戻すために、治療センターなる施設に入所することがある。日本国内の治療センターは、海外ほど治療環境が整ってはいないが、海外の治療センターでは、主に、フィードバックを治療する事に力が注がれている。覚醒剤の使用をやめたとしても、記憶に障害を持った人たちの神経は、覚醒剤をやめたからすぐに治るというものではない。安静な生活の中で、神経を自然治療する事が好ましい。そのためには時間が必要になる。

 覚醒剤の最も大きな副作用であり後遺症とも言えるのが、破壊された神経とそれによるフィードバックである。痩せた身体は食べれば戻る。失った歯は戻らないが入れ歯もある。これは、戻すまでにかかる時間が予想しやすいが、神経の自然回復は、回復時間を予測することがむずかしい。