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工藤明男コラム

工藤明男が疑問「最近の暴力団員って、実は拳銃を持っていないんじゃないですか?」

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山口組分裂から半年、この間、拳銃を使った抗争事件がほぼ皆無だったことを、皆さんは意外に思われないでしょうか? そこにはどうやら、こんな裏事情があったようなのです。工藤明男による最新裏社会レポートをご覧ください。


朝日さん、拳銃が飛ぶように売れてるって本当?


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朝日新聞DIGITAL『山口組分裂、抗争の足音 拳銃・ヒットマン...調達始まる』(リンク

 まずは、この記事をご覧ください。去年10月11日に朝日新聞DIGITALで公開された『山口組分裂、抗争の足音 拳銃・ヒットマン...調達始まる』という記事です。

(引用ここから)「ギョクつきで手に入らないか」関東在住の元暴力団幹部の携帯電話に8月下旬から、そんな依頼が相次いでいるという。元幹部は取材に「拳銃を欲しがっている。ギョクは実弾だ」と答えた。依頼は9月に入ってもあり、これまでに8件を数えた。(中略)平時には実弾付きで1丁30万円の拳銃が、100万円でも売れるという。(引用ここまで)

 くわしくはリンク先を見ていただくとして、この記事が公開された当時、関係者のあいだでは「捏造か?」と物議をかもしたのだそうです。

 なぜなら関西や東海の暴力団関係者は実弾のことを「ギョク」と言わないから。

 その後、元記事が掲載されたのが朝日新聞の「群馬県版らしい」ということがわかって、「北関東では、そう呼ぶんやな~」ということに落ち着いたみたいです。

 ただ、それでもやっぱり「この記事はまったくのデタラメではないが、裏社会の実情とはズレている」と言います。

 まず、「まったくのデタラメではない」、という部分は、ピストルの値段が一気に上がった、というところ。ここは、ある意味、本当みたいです。

 でも、値段を3倍以上にあげても売れるというところが、ちょっと違うらしいです。

 正確にいうと、「現在はピストルの入手自体が非常に困難である」というのが、どうも実際のところのようです。

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写真はイメージです

 そちらの業界にくわしい知人はこう言います。

「金だけの問題じゃないんです。値が異常に上がった理由は、分裂騒動に便乗した値上げというだけでなく、拳銃の売り手が圧倒的に少なくなってしまったからなんです。

 抗争に使用された拳銃なんて、サツも徹底的に入手ルートを追求してきますよ。

 ただでさえ、チャカの懲役は高い(長い)のに、ちょっと値が上がったからって何丁もさばいてしまい、その後、めくれてしまった(事件が発覚してしまった)らどうしますか? 二度と社会の土を踏めないかもしれませんよ。たかだかゼニを普段より数十万円よけいに儲けられたくらいで、そんなリスク、誰が背負えますか?

 だから、現在では、道具を触っている者(武器密売をシノギにしている者)でも、今は手元にない、と答える人間が大半です」

 要するに世間では、ピストルが高値でバンバン取り引きされているようなイメージですが、この人の話を聞く限り、そんな単純なものではないみたいです。

 もちろん、暴力団の抗争事件で拳銃が使われることは今後もあるでしょうが、これからの主流は拳銃を使わない形、ある意味において、戦わずして勝つ、という戦術がメインになってくるのかもしれませんね。


 (文=工藤明男)


【工藤 明男 (くどう あきお) プロフィール】
東京都生まれ。作家。杉並区出身の関東連合元リーダー。IT・芸能の分野で活躍。経済界のみならず政界にも幅広い人脈をもっており、現在は複数の企業の筆頭株主として、主に投資と企業コンサルタントの仕事を行なっている。警察当局から関東連合の資金源と目されてきた。表舞台に顔を出したことはない。