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逸品グルメハンター 東京都新宿区『T』のメンカキ定食

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一度は食べてみたい逸品というものがある。そんなグルメを求めて彷徨う当コーナー一団がやって来たのは新宿区四ツ谷だ。


四ツ谷の絶品フライに悶絶


東京・四ツ谷には食通を唸らす店が並ぶ『しんみち通り』。その入り口付近に、いつも行列ができている『T』という揚げ物に特化した料理店がある。

この店の名物は......個人的には

「無い!」

と言い切る。なぜならば、どれをいただいても大当たりな美味さだからだ。だから、あえて

「すべてが名物!」

だと言いたい。

ちなみに、このお店は以前『E』という名前の洋食屋さんであった。その当時にあった名物が『ビーフトマト』という料理であり、牛肉をトマト味で炒めたものであった。シンプルながらも家庭では出せない味わい深さがあって、これを食べたくて『E』に通っていたようなものだ。

しかし、数年前に『T』にリニューアルした際に揚げ物に特化するためか、そのビーフトマトが消えてしまったのだ。さらにオムライスまで!これは食の文化遺産が消滅したも同然であり、数年が過ぎた今でも残念でならない......。

それでも、納得させられるのが『T』たる所以である。前述のように何を食べても美味しく、メニューを見るたびに迷ってしまう。

とんかつは噛みしめるたびに肉汁と脂が口の中に広がり、とろけそうになる。カニクリームコロッケも一口かじれば、ほどけるようい口の中にクリームが広がり悶えてしまう。

結局、私がチョイスしたのはメンチカツに期間限定のカキフライをプラスした『メンカキ定食』なる最強セットだ。

待っている間、揚げ油の香ばしい香りが鼻孔をくすぐる。待ち遠しくて仕方がないとは、このことだ。

そして、ついに来た!

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メンチカツは牡蠣フライとのバランスをとるためだろう。ミニサイズになっているので、肉汁が逃げにくい。それゆえに、口に入れた際には肉と玉ねぎが織りなす甘露の洪水といった感じだ。

そして、期間限定のカキフライも海の香りとミルキーさのコラボを楽しめる、まさに今だけの逸品だ。鳥羽産の生牡蠣の旨みをギュッと凝縮していて、これ以上にない味わいだ。

カキフライはたしか3月一杯までの限定だったと思う。今シーズン中、もう一度味わいたいが、行ったら行ったで、他のメニューも食べたくなるし......。『T』は、この季節の贅沢な悩みを与える罪作りな店である。



(取材/文=三戸玲)