>  > 今回はちょっと真面目な話だよ「障がい基礎年金の新しい等級判定対応表は酷すぎる!」
エロの伝道師・山口エロ二郎改メ憂国我道会・山口祐二郎のひとりごと

今回はちょっと真面目な話だよ「障がい基礎年金の新しい等級判定対応表は酷すぎる!」

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皆様には障がい者の家族や友人はいないだろうか? 私には沢山いる。また、障がい者に関わる仕事をしている知人も数多くいる。今、障がい者や、障がい者に関わる仕事をしている者が、とても危惧していることがある。それが、厚生労働省が取り決めた今年から導入予定の障がい基礎年金の新しい等級判定対応表なのである。


国は弱者を切り捨てるな!


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「国の障がい年金の支給・不支給判定に大きな地域差があるのを是正するため」という理由で、厚生労働省は今年、障がい基礎年金を支給するかどうかの判定の指針を今年、変更する予定らしい。それに対し、日本精神神経学会などからつくられる『精神科七者懇談会』は、その新たな指針に当てはめると現在支給されている精神・知的・発達障がい者約79万人のうち、約1割にも及ぶ約7万9千人が支給停止または支給減額になる恐れがあると発表している。

 この新しい判定指針が実行された場合、混乱する当事者や家族も少なくはないだろう。


なぜ、さらに障がい者基礎年金を削るのか?


 ではなぜ、厚生労働省は障がい者や家族を困らせてまで強行しようとしているのか。はっきり言えば、税金を削りたいだけだろう。だが、今より障がい者基礎年金を削るなんてふざけている。

 現在、障がい者1級だと約月81000円、障がい者2級だと約65000円、障がい者3級だと支給はない。これが今年から導入予定の障がい基礎年金の新しい等級判定対応表になると、今まで1級の受給者が2級に下がったり、2級の受給者が3級に下がり支給停止となったりしてしまうという指摘がされているのだ。

 月々、こんな僅かな金で生きていけるわけがないだろう。少し考えれば分かるはずだ。障がい者基礎年金は今までより削るのではなく、増やすべきなのだ。


障がい者介護施設従事者の声


 このような状況に、障がい者介護施設で長く働いている私の友人、椎名(仮名 30歳男性)は言う。

「障がい者を切り捨てることに他ならないですよね。僕の働かせてもらっている仕事に最も身近なことです。あと、4月から施行される障がい者差別解消法の基本方針案も、作成・決定したのは内閣総理大臣ですよね確か。それなのにも関わらず、これ以上障がい者基礎年金を削ってどうしろというのでしょうか。安倍内閣は障がいを持たれている方々のことをどれだけ意識しているのでしょうか? こういう話を聞くと、妻がパートで働き始めたら月収25万円とか、カップラーメンが500円だと思っているかもしれない政治家の皆さんには、僕が作った原価70円くらいの素ラーメンを送ってあげたくなっちゃいますね。美味しいよ

 椎名は酒を飲むと全裸になったり、2Fからロープを使い飛び降りてしまう男だが、仕事には本当に真面目な人間で施設からの信頼も厚い。社会福祉士の資格を持ち、責任あるポストにも就いている。今年から導入予定の障がい基礎年金の新しい等級判定対応表は、障がい者の当事者やその家族のことを全く考えていないのだ。そして、こんなことがまかり通っていけば、これからもどんどん障がい基礎年金の支給停止、支給減額の可能性はあるかもしれない。


障がい者2級の当事者の声


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 私は、障がい者の当事者にも話を聞いてみた。何より、当事者の本人は焦るはずである。私の友人、統合失調症で障がい者2級の佐藤(仮名 25歳男性)は話す。

「僕なんかは統合失調症で、ぱっと見も障がい者には思われないんですよ。でも、ちゃんと障がい者2級なんです。医者から統合失調症は脳の病気で、完治するのは難しい一生付き合っていくものだと言われています。実際、毎日に嫌気がさして、死にたくて自殺未遂もしています。学校も人間が嫌で通えなかったので、小、中の義務教育を出てから高校に入りましたが全く行かないで中退です。仕事なんかもやろうとしましたが、コンビニでアルバイトをしてもしんどくて初日で無理で辞めました。僕には普通に当たり前に生きることが大変なんです。働きたくても身体が付いていかないんです、実家でニートみたいに生活をしていたら親に悪いんで、障がい基礎年金を受給し生活しています。月65000円じゃ何の贅沢もできないです。携帯代と家に食費、光熱費とかを入れて終わりですよ。今後、支給停止にでもなったらと考えると絶望しかないですね」

 終始、溜息をつくばかりの佐藤。相当、当事者としては気が参っているようである。


知的障がい者の親の声


 さらに私は障がい者の親にも話を聞いてみた。親は当事者とはまた違う視点で心配しているはずだ。知的障がいを伴う自閉症で障がい者2級の子供がいる、真田さん(仮名 53歳女性)は言う。

「よく、障がい者がいる親は大変とか言うじゃないですか。生まれる前に障がいを子供が持っていると分かれば中絶する方も多いです。でも、私は子供を生んで本当に良かったと思っています。でも、私や旦那がいるうちは良いんですけど、どんどん歳を取っていって働けなくなりますし、体力もなくなります。私が死んでから子供がどう生きていくのかを考えると本当に心配なんです。だから、そういった社会保障だけは削らないで欲しいんです」

 涙ながらに真田さんは嘆いた。障がい者の子供を持つ親からすれば、子供の将来に関わることだ。真田さんの流した涙は計り知れないほど重いものだろう。


最後に


 今年から導入予定の障がい基礎年金の新しい等級判定対応表。どう考えても、おかしいとしか思えない。障がい者介護施設従事者、障がい者の当事者や家族に話を聞いてからは、より強くそう感じた。一部の悪徳政治家を肥え太らせるために税金があるのではない。民のためにあるのだ。そして、民の中でも障がい者のような生きていくことが困難な社会的弱者に税金を当てることは当然である。

 安倍内閣は一体どこに向かっているのだろうか......。




山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件、2012年に東電会長宅前断食断水ハンストを起こし脱退。現在は、「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)、『奴らを通すな!』(ころから)がある。
山口祐二郎公式ツイッター https://twitter.com/yamaguchiyujiro


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