>  > 奇声を発しながら日本刀を振り回す男相手に優しい声で説得することが正解なのか?
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

奇声を発しながら日本刀を振り回す男相手に優しい声で説得することが正解なのか?

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神奈川県大和市林間の住宅で、この家に住む54歳の男が刃物を振り回して暴れ、5時間半ほど立てこもった末、突入してきた警察に逮捕されました。神奈川県警によれば、13日午後8時半すぎに女性の声で「息子が刃物を持って暴れている」という通報があり、警察官が駆けつけたところ、男が日本刀とみられる刃物を振り回して暴れていたとのことです。また取り押さえようとした際には、警察官2人が顔などを切りつけられました。現在、男はぼんやりとした表情で事情聴取には応じていないといい、神奈川県警は男に刑事責任能力があるかどうかも含めて、慎重に調べています。


自宅で日本刀を振り回し暴れた54歳引きこもり男


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写真はイメージです

 現場へ駆けつけた警察官2人も、まさか日本刀で切りかかってこようとは、思いもよらなかったはずである。でなければ、のほほんと2人でやって来たりはしなかったはずだ。

 でも、この容疑者の男も運が良かったよな。神奈川県警の普通のおまわりさんが駆けつけてくれて。まかり間違って、千葉県警の3人──そう、犬相手に13発の実弾を撃ち込んでみせた、あのトリオが来ててみろ。今頃、阿久津の身体は、間違いなく穴だらけになっていたはずである(過去コラム『松戸市で逃げ出した犬相手に13発発砲した千葉県警の警察官に元極道が苦言』はコチラ。警察庁も、あきらかな配属ミスである。

 でもまあ、よくも54歳になってまで見捨てずにいてくれた母親に対し、暴力を振るえたものである。

 くそ遅すぎた反抗期だったか知らないが、無職ということは、だ。いいおっさんになってまで親のすねをかじっていたんだろう。それだけでも、十分親不孝ではないか。

 そんな、最悪のろくでなしに対し、ずいぶんと神奈川県警はなまぬるいよな。だって母親を殺しかけ、同僚2人に怪我を負わせたというのに、時間をかけて説得していた、というではないか。どんな言葉で男を口説き落とそうとしたか知らないが、こんな男に本気で人の言葉が届くと思ったのだろうか。

 そもそも、人質すらとっていない阿久津に、説得などという温情が必要だったのであろうか。逮捕後、黙秘している阿久津を見ると、私は必要でなかったと思うぞ。

 マスコミも、「男が立てこもっています!」とえらく興奮していたようであるが、「自分の家に引きこもっています!」のほうが適切な表現ではなかったのか(ま、どちらでもよいのだが)

 81歳のお母さんは、これまでこの男のおかげで大変な苦労をされてきたことだろう。それでも、ろくでなしのバカ息子とはいえ息子は息子だ。男の行く末を案じていたはずだ。

 そんな老母の思いを、殺しかけるという仕打ちで返したのだから、救いのカケラすら見当たらない。

 若ければ更生の望みもあったかもしれないが、54歳という年齢でこれから更生していくのは、多分不可能だろう。それを誰よりも本人が一番理解しているからこそ、逮捕後も自責の念を口にすることもなく、黙秘という態度をとっているのではないのだろうか。

 何にしろ、81歳のお母さんに対し、最もしてはならない親不孝を男が犯したことだけは、間違いない。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。