>  > 愛知県警北署の部外者が入りにくい部屋に盗聴器がしかけられていたのは偶然か?
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

愛知県警北署の部外者が入りにくい部屋に盗聴器がしかけられていたのは偶然か?

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日本テレビ系のお昼のワイドショー『情報ライブ ミヤネ屋』で、「盗聴バスター」という企画の取材中、愛知県警北署(名古屋市北区)の庁舎内から盗聴器の電波が発信されていることを発見したというスクープ報道がありました。その後、同署が調査したところ、延長コードにつながれたプラグ型電源タップの内部に仕込まれた盗聴器が見つかりました。愛知県警では「捜査への影響など詳しいことは調査中。再発防止に努める」としています。


盗聴犯よりも音声を全国中に流してやしないか?


 あららである。警察の十八番であるはずの盗聴が警察署内にしかけられていたとは、ある意味、灯台下暗しであるまいか。
外へと漏れてしまった音声には、個人名や個人の電話番号といったものまであったというので、結構なおおごとになってしまっているとのこと。

 これはこれで大問題なのだろうが、それとは別で、私にはちょっと引っかかることがなくはない。

 そもそも、どうして警察内部に盗聴器がしかけられていたことが発覚したかといえば、どうも某テレビ番組で行った企画で発見したというではないか。

 なんでも、その企画では、車に無線機を積ませ走りまわらせていた、という。

 おいおいおいおい、ちょっと待って欲しい。

 テレビ番組の企画ってどういうことだ。誰かに依頼されて調べていたのではないのか? 番組を盛り上げる企画としてやっていたというのか? だとすれば、それはそれで大問題じゃないのか。

 だってそうじゃないか。電波に乗って漏れてしまった情報は、取材班もキャッチしてしまったのだろう。肝心なところはボカし、音声は変えているようであるが、結局、拾った音声をテレビで流してしまっているわけだ。それは正しいことなのか。見方によっては、悪質な盗聴犯を見つけだすためなのか、企画を盛り上げるためなのか、分からなくなってしまわないか。

 盗聴器がしかけられてしまっていた場所が場所なだけに、今はそちらばかりに目が向いてしまっているが、冷静に考えれば、「お宅らも一体、何をしとんねん」という疑問が生まれてこないだろうか。

 少しばかり、そこのところが腑に落ちない。

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写真はイメージです

 話は変わるが、冒頭でも触れたように、もともと当局には平然と盗聴をしかける体質がある。特に電話に関しての盗聴は、彼らのもっとも得意とする分野でなかろうか。

 一応、盗聴法の定義としては、「当局サイドが盗聴する際には裁判所から許可をもらい、電話会社の職員が立会する事が義務付けられていて、盗聴した人間にも後日その旨を伝えなければならない」とあるにはあるが、それはあくまで盗聴データを裁判で証拠採用する場合の話で、裁判の証拠として使わないのであれば、別段その手続きにのっとる必要はない。

 だからこそ、ヤクザなど「大事な話をする時は電話でするな」と厳命されているし、会って話す際でも「銭湯を使え」と言われていたくらいだ(もっとも銭湯にまで盗聴器をしかけられていたらお手上げだけれども......)。それくらい、当局が盗聴をしているということは、裏社会の住人からしてみれば常識化した話なのである。そして、それくらいのことはマスコミも熟知しているはずなのに、「まさか警察から盗聴器が!」なんてやられると、ちょっと白々しく思えてしまうのだ。

 とまあ、いろいろ書き連ねてきたわけだが、要するに何を言いたいのかというと今回の事件、「ウチの番組がスッパぬいたぜっ!」とドヤ顔して自慢気に叫ぶのは、あまり格好よろしくない気がする、ということなのである。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。