>  > 刺青の彫師は警察の気分によって逮捕したり、しなかったりする職業
ニュースななめ読み

刺青の彫師は警察の気分によって逮捕したり、しなかったりする職業

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この8月に、医師法違反容疑で略式起訴された彫師が、罰金30万円の略式命令を拒み、正式裁判を申し立てるという異例の法廷闘争に踏み切りました。タトゥーを他人に施す行為が医師法違反なのか、自分の仕事を犯罪と認めるのか、と疑問に思ったことがそのきっかけだったそうです。


「刺青はアート 仕事として認めて」と彫師が提訴


yoshiwara_news_1124_01.jpg

写真はイメージです wikipedia「入れ墨」より(リンク


 どうも、ヨシワラです。また興味深いニュースが飛び込んできました。

 医師法違反容疑で略式起訴された20代の彫師さんが「罰金30万円の略式命令」を拒否、正式な裁判を申し立てたそうです。公判前整理手続きは12月25日からだそうで、重要な判例となることは間違いないので、応援したいですね。

 報道によると、申し立てたのは大阪府吹田市のデザイナーさんで、いったんは略式起訴を受け入れたものの、「自分の仕事は『犯罪』なのか」と思われたのが提訴のきっかけだそうです。「僕にとって表現行為の一つ。まっとうな仕事と認めてほしい」と、読売新聞(11月22日付け)にコメントされています。

 現行法では、彫師さんは「医業」ではないのですが、ちゃんとしてない業者さんの横行によるトラブルの多発などから取り締まりが厳しくなってきています。アートメイクなんかもそうですね。

 最近は、「針先に色素を付けながら皮膚の表面に色素を入れる行為は医師しかできない」との通達(2001年厚労省)を根拠に摘発が増えているようです。海外ではタトゥーはライセンス制など医師法とは別の法律で規制されているので、日本でもそうすればいいのではないでしょうか。

 デザイナーさんの弁護団は、憲法が保障する「職業選択の自由」「幸福追求権」の観点からも無罪を訴える方針とのことですが、彫師さんたちは応援したい一方で、「負けたら失職するのか」と不安の声もあるようです。

 ある彫師さんは、「もちろん裁判には注目しています。でも、私たちはもともと法律的にはグレーな存在なので、この裁判でブラックとされたら......と思うと怖いですね。今までは何とかやってこられましたが、これからどうなるのか」と戸惑いを隠しません。
別の彫師さんは、「やっぱり刺青=ヤクザのイメージなんでしょうね」とため息。でも、海外のトップアスリートやアーティストはみんなタトゥーを入れていますし、日本でも入れている芸能人は多いですよね。それに、2020年のオリンピックでは海外からお客さんがたくさん来るのに、「タトゥーお断り」はできないと思いますよ。

 一部の彫師さんたちのグループは公益財団法人エイズ予防財団に協力するなど、感染症の予防にも積極的に取り組んでいるそうですし、海外でも日本のタトゥーのレベルの高さには定評がありますからね。

 この裁判で、彫師さんたちのステイタスがハイレベルで保障されることをお祈りします。


(取材/文 吉原美姫)