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日本の裏社会で今、なにが起ころうとしているのか?

山口組実録シリーズ 「菱の血判」その⑯ ~秘策~

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 創立100周年目の山口組に起きた「別れ」という離脱分裂劇。マスコミ等では分裂理由を、主に会費の高騰、と紹介しているが、血で血を洗いながら100年間も続いた組織の分裂理由はそんな単純なものではない。
「11年前に戻っただけや」
 分裂理由の真相を知る幹部たちは残念顔でこう言った。山口組は11年前から神戸一派と名古屋一派との間で確執が生じていた。脈々と沸々と続いていたものがこの度遂に分裂というかたちで表面化したのである。六代目山口組の分裂劇とは一体何なのか? 山口組に詳しい藤原良氏に解説してもらった。


影で動く大物OBたち


 ついに、神戸山口組が六代目山口組の組員数を上回った。

 離脱分裂当初は神戸山口組は六代目山口組の組員数の約半分程度であったが、離脱分裂から2ヶ月が過ぎた現在では、神戸山口組の組員数は急増し、六代目山口組の組員数は減少傾向にある。これは、ヤクザ暴力団業界の中で六代目山口組の名古屋主義に嫌気がさしている組員が多いという事を意味しているだろう。
 
 六代目山口組内では「(現在、服役中の)高山若頭がいたらこうはならなかった」という声とともに六代目山口組統括委員長と舎弟頭に対して「お前がしっかりしていないからこうなった」という叱咤叱責が飛び交っている。

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写真はイメージです

 神戸山口組の急増については、その方針に共鳴する人たちの拡大もあるが、神戸山口組の影の協力者の存在と影響も大きい。分裂以前の六代目山口組内における名古屋支配管理体制が全盛だった頃、名古屋一派は神戸一派に対して執拗かつ強圧的に人員の切り崩しを続け、功労者やベテランクラスや様々な生き証人たちを除籍、絶縁、破門、引退へと追いやっていった。彼らのひとりひとりがミスター山口組であり、まさに山口組の個性そのものであったが、名古屋一派はまるで急速な世代交代と新時代の到来とばかりに切り崩し、人員処分という組織改革を強引に行った。

 その結果、様々な確執と因縁を発生した。現在の六代目山口組にはもうケンカが出来るヤクザはいないとまで言われている。その手の人たちのほとんどが名古屋支配管理体制時代に粛清されたからである。

 そういった、不本意に山口組から追い払われた方々は、神戸一派の応援者となり、やがて、神戸山口組の影の協力者となった。

「ヤクザは肩書きではない」という言葉がある。神戸山口組の影の協力者たちは、別に、山口組を追いやられて肩書きを失った事に対する恨みつらみで活動しているわけではない。あくまでも「山口組を離れた今でも、やるべき事はやらなければならない」という一念で歩んでいる。繰り返すが、ヤクザは肩書きではない。生き様なのである。