>  > 山口組実録シリーズ 「菱の血判」その⑰ ~60days~
日本の裏社会で今、なにが起ころうとしているのか?

山口組実録シリーズ 「菱の血判」その⑰ ~60days~

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 創立100周年目の山口組に起きた「別れ」という離脱分裂劇。マスコミ等では分裂理由を、主に会費の高騰、と紹介しているが、血で血を洗いながら100年間も続いた組織の分裂理由はそんな単純なものではない。
「11年前に戻っただけや」
 分裂理由の真相を知る幹部たちは残念顔でこう言った。山口組は11年前から神戸一派と名古屋一派との間で確執が生じていた。脈々と沸々と続いていたものがこの度遂に分裂というかたちで表面化したのである。六代目山口組の分裂劇とは一体何なのか? 山口組に詳しい藤原良氏に解説してもらった。


思想戦としての側面


 離脱分裂から2ヶ月が経ち、神戸山口組と六代目山口組の両方の組内に過去の名門が復活している。団体としての復縁もあれば、人物のみの復帰も相次いでいる。

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山口組の原点とも言うべき神戸港 wikipediaより引用(リンク

 やみくもな増員の目的は、本抗争に向けてのものか?と想像する人もいるだろうが、必ずしもそうとは言えない。過去の抗争を振り返ってみても、「組に迷惑をかけたくない」という理由で自ら破門処分を望み、籍を外してヒットマンとなった者もいた。使用者責任を厳しく追求する方向になった現在なら、なおさらだろう。そういった事を思い返してみると、復縁や復帰は単純な戦闘力の増強だけを目指したものではないという事がよく分かる。どちらかというと六代目山口組も神戸山口組も、著名な個人や組の復縁や復帰を、組織としての正統性をアピールするための材料として考えているふしがある(編集部注・今月に入ってから、引退した元直参組長のところへ六代目山口組より使者が訪れ、「けっして神戸山口組で組を復活させないように。もしもあちらで組が復活した場合は、引退後であろうが処分の対象になり、また引退時に受け取った功労金を返還してもらう」と言ってまわっているという情報がある)。逆に言えば、相次ぐ復縁者、復帰者の存在は、これまでの間違いを正すべく本来の姿に戻るために行動した者である、受け止める事もできるだろう。

 先日、三代目山口組時代からの大幹部に「神戸側と六代目側が、再びひとつになる可能性」について質問したところ「それはない」と即答された。六代目山口組と神戸山口組は人数の多さや資金力、戦闘力だけを競っているのではなく、思想的正統性も争っている以上、総括なしの野合は確かに難しいのかもしれない。