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大阪市住吉区苅田の老人ホームで入居者女性を絞め殺そうとした介護職員の愚痴と甘え

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大阪府警住吉署は19日、老人ホームに入所する高齢女性(97)の首を絞めて殺害しようとした殺人未遂容疑で、大阪市住吉区苅田の特別養護老人ホーム「さんらく苑」の介護職員、叶渉悟容疑者(23)を逮捕しました。女性の意識がもうろうとしているのを別の職員がすぐに気付き119番したことから事件が発覚しました。叶容疑者は「日々の介護に疲れていた。高齢者を介護する苦しみを誰かに気付いてほしかった」などと供述しているそうです。


この男は氷山の一角にすぎない


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写真はイメージです

 長年連れ添った老夫婦が、何年にも及んだ介護疲れの末に、相手を殺して自分も死のうとする心痛ましい事件がある。なんともいえない哀しい事件である。そして相手を殺してしまい、自分自身が死にきれなかった際に口から出てくる言葉が、「介護に疲れて......」である。

 叶も凄まじい勘違いから、勝手にそういう心理状態になってしまったのかもしれないが、叶の場合は正確にいうと「介護に疲れて......」ではなく、「仕事に疲れて......」もしくは「仕事がしんどい」だけであろう。

 そして、仕事というものは、どんな職種であれ、必ず疲れる。しんどくて当たり前である。それで給料をもらっているのだから、楽な訳がない。

 叶の言っている事は、例えば八百屋に置きかえると、商売に疲れて、大根を買いにきてくれたお客さんを絞め殺そうとしてるのと、なんら変わらない。先に例としてあげた、長年連れ添った老夫婦の介護疲れとはまったく異なり、叶に酌むべき事情は微塵も見当たらない。

 挙げ句の果てに、「誰かに気付いてほしかった......」

 叶は一体、介護という仕事をどのように解釈していたのであろうか。同僚に「叶ちゃん、頑張ってるね!」と言われれば、満足だったのだろうか。

なんたるゆとり世代

 気付いて欲しいも何も、叶が絞め殺そうとした入居者の人の異変は、直ぐ違う職員が気付いているではないか。

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写真はイメージです

 被害者の女性は97歳、叶は23歳、ということは叶はその被害者女性を何年もつきっきりで介護していた訳ではないはずだ(かりに何年、その人を介護していたとしても、それが仕事だから当たり前なのだが)。それでよくもまあ、疲れた......とか、気付いて欲しかった......、などと言えたものだ。

 昨今、叶のように介護職員として働いている者の、教養の無さ、人格の無さ、心得の無さが浮き彫りになってきている。幸い今回は命に別状がなかったようだが、だからといって寛大な処罰で許される事などではない。

 叶は、氷山の一角なのだ。

 これからもっと高齢化が進み、介護施設を利用する人が増えていく。施設側も今一度、職員の育成を見直す時期が来ているのではないか。


(文=沖田臥龍)