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今井亮一の「裁判傍聴バカ一代」R-ZONE出張版

【裁判所24時】奈良県警オービススピード違反もみ消し事件の真相

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奈良県警のオービススピード違反の公判に潜入

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「不正20数件に関与か 奈良県警の交通違反もみ消し巡査部長」産経WEST(リンク)

 今年6月、奈良県警の警察官が交通違反を多数もみ消して現金を受け取ったと大報道されたでしょ。もみ消した違反の多くは、オービスによるスピード違反だという。
 
 オービスと聞いては放っておけない。俺が傍聴しなくてどうするっ!
 つーことで奈良地裁へ行ってきました、2回も。
 2回分を続けて簡潔にレポートしよう。
 
 


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裁判所とはとても思えない奈良地裁の外観。奈良公園の入り口部分の一角にあり、デザインコンセプトは風と緑なのだそうだ。撮影=今井亮一

 元巡査部長(44歳、すでに懲戒免職)を被告人とする「犯人隠避、加重収賄、虚偽有印公文書作成、同行使」、その第1回公判は7月21日。
 70席の傍聴席は、ほとんど警察官と記者たちで40席以上埋まった。大事件ゆえTVカメラによる2分間の法廷内撮影があった。
 
 撮影が終わり、被告人が入廷。背が高く、おっそろしく男前だ。女性警察官たちの間でモテモテだったに違いない。
 しかし今、手錠をかけられ腰縄につながれた姿で、拘置所の刑務官2人に挟まれ、元同僚たちの前へ...。なんだか抜け殻のように見えた。
 
 


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奈良地裁の前庭。裁判所の庭に鹿がいるとは! 向側の公園から、道路を渡って鹿がくるんだという。芝生には鹿の糞がたくさんあった。撮影=今井亮一


 第1回公判の公訴事実は、無免許運転のもみ消しだった。
 高速道路交通警察隊(以下高速隊)のパトカーで西名阪道をパトロール中、速度違反のプリウスを発見。
 当然、パトは停止を命じる。するとプリウスは速度を上げた。出口から逃げようとしてカーブを曲がりきれず、物損事故を起こした。
 運転者は無免許だった。普通は無免許で赤切符を切られる。
 ところが被告人は、検察官いわく、翌日から休暇だったため面倒なことを嫌った。運転者の知人男性を呼び出させ、その男性が起こした物損事故として処理したのだ。そして、
 
「あの若いやつ(相勤の巡査長)を口止めせなあかんから、なんぼか包んでくれるか」
 
 と言い、謝礼の趣旨で3万円を受け取った。
 その後、運転者が経営するデリヘル(無店舗型特殊性風俗店)で、謝礼の趣旨で女性従業員から合計9万3800円相当の「役務の提供」を受けた。
 
 ただ賄賂を受け取るだけでなく不正行為もすることを「加重収賄」という。法定刑は1年以上の有期懲役。有期懲役の上限は20年。重いのだ。