>  > 作られたタレントorニュータイプ!? 次々湧き出るオネエ系のニューカマー、GENKINGのポテンシャルは?

作られたタレントorニュータイプ!? 次々湧き出るオネエ系のニューカマー、GENKINGのポテンシャルは?

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GENKINGに見る"オネエ系"タレントに求められる資質

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「GENKING STYLE」双葉社刊(リンク)

  写真投稿サイト「Instagram」で"謎の美男子"としてブレイクしたGENKING(本名:田中元輝くん)。9月7日現在61万人を越えるフォロワーを獲得し、今年3月にはテレビで同性愛者であることをカミングアウト。いわゆる"オネエ系"タレントとして、現在は毎日のようにテレビに出演し、ワイドショーやトーク番組を賑わせている。

 8月31日放映の「しゃべくり007」にゲスト出演したGENKINGは、「名古屋出身だった」「高校時代は渋谷でガングロメイクで遊んでいた」と告白。放映ではなぜか明言しなかったが、要は当時の渋谷の有名スポットにちなんで「センターGUY(ガイ)」と呼ばれていた若者だったわけだ。また、高校卒業後はOL、ヘアメイク、ブランドの運営など、様々な仕事をしていたことを明かした。

 しかし、番組内で、彼はそれら経歴を説明し、くりいむしちゅー、チュートリアルら共演者の「あなたは何者なのか?」「あなたは男なのか? 女なのか?」という、そもそもの疑問に答えることに終始。ブレイクして半年を過ぎても、自己紹介から先に進めていない状態であった。
 また、ヒットしているという彼の著書『GENKING STYLE』は、「スタイルブック」と説明されていたが、そもそもスタイルブックとは何なのか? 大多数の人々にはそこから既に分からなかったのではないだろうか(ちなみに本の内容は「GENKINGのファッションや私生活を紹介したスナップ写真集」といったもの)。


果たして一発屋で終わるのか、新たなジャンルを築くのか

 これまでのオネエ系タレントは、大きく分けて2つのカテゴリに分類される。1つの芸や仕事を極め、社交界に確固たる地位を築き上げた「セレブ」。ヘアメイクからキャリアをスタートさせ、美容家として活動するIKKOや、最近見なくなった華道家・假屋崎省吾などがこれに該当する。
 もう1つは「ご意見番」。美輪明宏や、今やTVで見ない日はないほどの人気者となったマツコ・デラックス。鋭いツッコミで世相を斬り、視聴者を痛快な気分にさせたり、人生のアドバイスをして、癒しや感動を与える役回りだ。ワイドショーで道行く一般女性をファッションチェックし、容赦なくツッコミを入れていたピーコも、ここに該当するだろう。この立ち位置は、彼らオネエ系が自分の性に悩み、偏見に苦しんだ経験によるところが大きい。だからこそ、視聴者は彼らの発言に説得力を感じ、耳を傾けるわけだ。

 だが、現在のところ、GENKINGは上記のいずれにも当てはまらない。トークは決して上手いとは言えず、キメ台詞の「やーよ」も浸透しているどころか、ネットでは「本当に流行っているのか?」と疑問視される始末。また、肝心のファッションセンスも、テレビで披露されるのは「100円ショップのアイテムで古着をリメイクする」といった庶民感覚のものが多く、セレブにはほど遠い。Instagramの画像では華々しく見える彼の私生活も、テレビで見ると地味であり、フォーカスされるのは金子賢ら芸能人との交友関係ばかり。GENKING自身の魅力はなかなか伝わらないのが実情だ。

 そもそも、GENKINGの半生には、これまでのオネエ系タレントが抱えていた苦悩や困難、そしてそれらを克服しようとする強い意志が、微塵も感じられない。中学一年で性に目覚めて以降、多いときでは男女合わせて10股をかけ、パートナーからもらうお小遣いで日サロに通っていたというGENKING。セクシャリティを抜きにすれば、良くも悪くも、都会によくいるチャラい若者なのだ。10代の頃、彼は連日のように渋谷で遊びながら、俳優になることを夢見ていたという。いち若者として見れば微笑ましい話で済むが、オネエ系タレントとしては物足りないと言わざるを得ない。

 SNSでブレイクした、"謎の美男子"GENKINGを、新たなオネエ系タレントにしようとするテレビ業界。しかし、セレブでもご意見番でもない、つまり従来のオネエ系の枠組みに落とし込むことが困難な彼を、使いあぐねているのは明らかだ。ここ最近、彼は他の仕事を全て辞め、タレント活動に専念しているというが、その道は極めて険しいものになりそうである。



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instagramのカテゴリー分けでもどこにも属してないようにみえたんですが(探せなかった...)。出典:ameba公式サイト(リンク



(文=一条寺大賀)