>  > 任侠化するシャブ屋 #1 暴力団取り締まり強化の生んだ皮肉
山口組分裂の原点を探る! 日本のヤクザ社会に今、何が起きているのか!?

任侠化するシャブ屋 #1 暴力団取り締まり強化の生んだ皮肉

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覚せい剤に手を出す覚悟

 数年前の冬、筆者は覚せい剤の末端の売人=いわゆるシャブ中毒者を取材していた。

 知り合った当初は「巨漢」だった彼も、おかげで随分ほっそりし、一向に進まない刺青を剥き出しにし(金も時間もメンタルもすべて覚せい剤に溶けるのがシャブ中のシャブ中たる所以というものだろう)、冬でも半裸で常に汗を拭きながら、我が身の不遇や世の中の成り立ちを得々と語るのだが、はっきり言ってその弁たるや何を言っているのかさっぱりわからないのだった。

 そういう生々しい記憶があるので、お国の作った標語に頷くことなど普段はまずない筆者も《覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?》に関しては、「まあ、そのくらいの気持ちで挑むべき劇薬ではあるだろう」という気持ちを持っている。

覚せい剤をめぐる業界の変化

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(写真はイメージです)

「山口組でも組内部で覚せい剤禁止を訴え、特に幹部に対してのシャブ厳禁の申し渡しは単なる建前とは思えません」

 そう話すのは某実話誌記者。神戸市の山口組総本部での幹部会でも、覚せい剤の話題はかなりのピリピリムードらしいと氏は眉根を寄せる。

 確かに今年は大物幹部が覚せい剤を巡り破門処分となったと実話誌などで相次いで取り沙汰されたことがあった。振り返るとASKA逮捕のてんやわんやでお茶の間を湧かせたのも今年のことで、「覚せい剤」という単語が裏社会表社会問わずに騒がせた1年だったと言えるかもしれない。

任侠になるか外道となるか、ヤクザ二者択一

 しかし、こういう現状の裏で、というべきか、こういう現実があるからこそというべきか、シャブの売人に変化が起きていると在京の某組織組員が耳打ちしてくれた。

「シャブはなくなるものじゃない。良い悪いでいえば悪いに決まってるが、ヤクザにしてみれば昔から扱ってきたものだし、ヤクザが扱わないで誰が扱うんだという意識があるのも事実。危険ドラッグがグレーだったうちはシノギにする価値もあったが、ブラックになった以上、あんなガキのおもちゃを捌いてパクられてもカッコがつかない。腹括ってシャブを扱ってパクられたほうが、まだ上層部に顔向けできる」(2014年11月21日公開)


(取材/文=李白虎)