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俺の、最後の獄中絵日記 第207回

自由に「風呂に入れる」ってことがなんて幸せなことか

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらい月形刑務所で服役中だった後藤武二郎は、ある日、たまたま目にした職業訓練募集の張り紙に深く考えず応募したところ、まさかの当選。住み慣れた北海道を離れ、九州は佐賀少年刑務所へ移ることになってしまった。


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たった2分間の清涼

2013年(平成25年)8月3日

暑い!

九州だから暑いのか?
年とって体が弱って暑く感じてるのか?
勉強したって頭に入らないし食欲さえも失せる。
もう体が溶けてしまいそうに感じるよ。

休日は入浴したりできないので
夕方、2分間の"払拭(ふっしき)"がある。
洗面器1杯の水を使用して体を拭くことができる時間だ。
甲府や府中では"拭身(しきしん)"なんて言ってたっけ。
しかし暑い中1日舎房に缶詰にされたあげく、この2分じゃ
さっぱりした感じもほんの数分しかもたないよ。

あーあ。シャバで日に何度も『お風呂入る?』なんて言って汗を流してたことが懐かしい。
幸せだったなア。

あの頃は『あれ?もしかして加齢臭?』なんて冗談にも反応してたけど
今の生活はそれどころじゃないぜ。

野郎3人狭い部屋で蒸し風呂状態。
汗と体臭の充満する男臭い毎日に本当嫌気が差してるところだ。

そんな中、蒸し暑かった今日も
夕方の『払拭始めー』の号令でささやかな涼をとる俺なのだ。


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