>  >  > 薔薇の香りのする女編③「一緒に歩いてるだけで、自然と周囲の目を集めてしまうほどの美人がなぜ俺と...」
FtM琥太朗のYARICHINダイアリーズ 第22回 「薔薇の香りのする女編③」

薔薇の香りのする女編③「一緒に歩いてるだけで、自然と周囲の目を集めてしまうほどの美人がなぜ俺と...」

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女性のヒモ歴ン十年。サオはなくとも、貢ぐ女には事欠かない。
そんな「身体は女性、心は男性」の琥太朗の今回の話は、ズバリ「ヒモになるきっかけとなった女」との出来事。
ヘタな官能小説よりも濃厚でリアルな体験を読んで、リア充も非リアも思い切りhshsしちゃって!


頭を撫でられるだけで心地よかった

「そんなに下を向いてばっかりだと、私が君の顔見れないからつまらないなぁ...」

 和美さんはそう言いながらオレの顎に手を添えて、オレの顔をそっと上に向けた。ふっと和美さんと目が合って、オレは思わず赤面してしまい、また顔を下に向けようとするが、和美さんの手がそれを許さなかった。和美さんは真っ直ぐにオレの目を見ていた。その瞳がとても綺麗で、オレはしばらくその瞳に吸い込まれていた。そんなオレをおかしく思ったのか、いきなり和美さんがプッと笑い出した。

「なにぃ? にらめっこしてるみたいじゃない。なんか、可愛いね」

 和美さんはオレの顎に置いていた手をそのまま頭の上にまわし、いい子いい子し始めた。なんだかとても子供扱いをされているみたいで恥ずかしかったが、頭を撫でられているのが心地よくて、オレは何も言い出せずされるがままになっていた。よくよく年上の女性には敵わない。というか、オレは年上女性にとても可愛がれるようだ。なぜか母性本能をくすぐるみたいだった。

「ねぇ、私は君よりかなり年上だけど...気にしないの?」
「いやっ! 全然っ!! むしろ年上の方が好きですっ!!!」

 オレは全力で返事をしていた。和美さんは少し面食らった感じだったが、直ぐにクスクスと笑い出してまたオレの頭を撫でまわした。

「分かったよ。分かったから、大丈夫!」

 和美さんの声はとても優しかった。まるでオレの胸の中に染み込んで、ドロドロとした嫌なものを少しづつ浄化されていくような感覚だった。いつまでも和美さんの声を聴いていたい、いっそこのまま時間が止まって欲しいと切に願った。

「食べ終わったし、そろそろ行こうか?」

 和美さんは次のプランに行動を移すため、未だに挙動不審なオレの手を引きファーストフード店を出た。オレは次にどこへ行くかは聞いてなかったが、雰囲気的に直ぐにホテルに行く感じではないと思っていた。それでもオレは良かった。むしろエッチしなくても、和美さんとこうして一緒にいられれば幸せだ。いや、できるならエッチはしたい。それに伝言ダイヤルという場所で出会ったのだから、むしろメインはエッチなはず!
 そこまで考えて、ふと和美さんを改めて見た。こんなに美人で雰囲気が良い女性が、なぜ伝言ダイヤルでエッチの相手を探していたのだろう? そんなことしなくても、周りの男どもは黙ってないはずだ。その証拠に街中を2人で手を繋いで歩いている姿を、周囲の男どもは微妙な面持ちでこちらを伺っている。和美さんは歩いているだけで、自然と周囲の目を集めてしまうほどの美人だ。わざわざ伝言ダイヤルで相手を募集しなくても引く手数多だろうが...。オレは答えの出ない考えをグルグルと思い巡らせながら、和美さんに手を引かれ歩いていた。だがそれも直ぐに途切れてしまった。和美さんが一軒の店の前で止まったからだ。

「次の目的地はここだよ!」

 和美さんが笑顔でそう言った店は、カラオケボックスだった。


 


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(続く)

   

kotaro_profile01.jpg著者近影 最近ちょっと太り気味


琥太朗(こたろう) エイプリルフール生まれ。おギャーッと生れてきたは良いが、母親の腹の中にチンコを忘れてきてしまった先天性FtM(性同一性障害者。女→男)。父親の強烈な女好き遺伝子をきっちりと受け継ぎ、10代後半からその才能を開花させる。現在はホルモン注射のみの治療だが何一つ不自由なくFtMとしてエンジョイライフを送りつつ、トラック運転手として日々荷物と格闘している。

編集部から
FtMとは、Female(女性)to Male(男性)の略称で、ひらたくいうと「身体的には女性に生まれついたけれど、自分は男性である、と思っている人」のことです。水商売で働くオナベさんも広い意味ではFtMに含まれるそうですが、オナベ=FtMというわけではありません。水商売以外で働くFtMもいっぱいいるし、なかには同僚にFtMと気がつかれていない人もいます。他の社会と同様、真面目に働くFtMもいれば、そうでないFtMもいるし、モテるFtMもいれば、非モテFtMもいるのです。この連載では、現在トラック運転手として働く琥太朗が、これまでいかにして女性を食いまくってきたのか赤裸々に告白していきます!