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俺の、最後の獄中絵日記 第147回

5月も終わりだけど、今年、初めて屋外で運動した

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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たぶん北海道っていうのは、ものすごく地価が安いんだろうね

2013年(平成25年)5月31日

およそ半年ぶりに青空の下にてて運動したよ。

外に出ると、やはりここは北海道なんだナ。

塀の向こう側には人工の建物はいっさい見えず、低い山並みがあるだけ。

視界に飛び込んでくる青空の大きさは最高だ。

そのとき、低い山並みのあいだを縫うように、単線の一両電車がゆっくりと走っていった。

俺もここを去るときはあれに乗るのか......と思いはめぐる(まだずいぶん先だけど)。

あのローカル電車に乗るのなら、その前に映画『幸せの黄色いハンカチ』で観たように、昭和の時代の匂う飯屋でカツ丼とビールを注文してから乗りたいものだ。

それにしても、この刑務所のグラウンドはとにかく広い。

芝生の部分もちゃんとあり、フェンスでいくつかに仕切られていて、そのすべてにバックネットが設置されている。

ソフトボールのグラウンドだけで何面取れるんだろうか?

そんな呆然と立ち尽くす俺たちの姿を見たオヤジが言った「話をする者は手前のベンチで、運動するものは奥の白線内でやれッ!」

この広いグラウンドは何のためなんだよ。そんなに真ん中のスペース大きく空けてどうするんだよ。

まあ今週から屋外での運動が始まったばかりで、まだソフトの道具を出してないので、バットやグローブが出たらグラウンドの真ん中も使わせてくれるんだろうけどサ......。

なんだか隅っこでチマチマ運動してる気分だナ。

しかし走ったよ。今日は力のかぎり走った。

おかげでストレス発散になった。

やっぱり人間、太陽の下に出ることが必要だよ。

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