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俺の、最後の獄中絵日記 第113回

遅起きはツライよ

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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遅起きはツライよ


2013年(平成25年)4月26日

夜、眠れなくて辛い、なんて話はよく聞くし、眠剤もらってる人もいるだろうね。

俺の工場は危険作業だから眠剤もらってるし奴はいないんだけど、まぁどっちにしろ俺は知っての通り朝型人間だから夜の寝つきは良い。

昼間、運動しているせいかもしれないが、照明が切れたら自然と眠りに落ちることができる。

朝の目覚めも良いほうだから、シャバではいつも早く起きると、ひと足先にベットを抜け出して散歩がてらにコンビニに寄って買い物して帰りコーヒー淹れてトースト焼いたりと朝食の準備をさせられたけど、この瞬間は結構、俺の好きな時間だった。

ところがここでは、いくら好きな朝のひとときでも自分の勝手はできない。

空が明るくなって目が覚めても、起床のチャイムがなるまでは布団の中でじっとおとなしくしていなければならないのだ。

これが辛い。

先週、起床の5分前に入る空調が中止になって、いつチャイムが鳴るのか予兆がなくなってしまった。

日の出とともに目覚めてしまったら、3時間近くも布団の中で待たされる羽目になる。

今日は免業日だから通常よりも40分ほど起床が遅い。

これが朝の辛さに拍車をかけるんだよ。

今朝ようやく起床のチャイムが鳴ったときでた言葉は、ため息とともに「あー、朝が長い」だ。

この辛さがわかるかな?

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