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FtM琥太朗のYARICHINダイアリーズ 第7回 「ベンツのダッシュボードがオモチャ箱編②」

ベンツのダッシュボードがオモチャ箱編②「お姉さんの舌は生き物のようで」

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軽い気持ちで、レズビアン専用伝言ダイヤルでナンパした女は高級車に乗る金持ちそうな美女! 琥太朗を乗せたベンツはどこへ向かって走りだしたのか!?

編集部から
FtMとは、Female(女性)to Male(男性)の略称で、ひらたくいうと「身体的には女性に生まれついたけれど、自分は男性である、と思っている人」のことです。水商売で働くオナベさんも広い意味ではFtMに含まれるそうですが、オナベ=FtMというわけではありません。水商売以外で働くFtMもいっぱいいるし、なかには同僚にFtMと気がつかれていない人もいます。他の社会と同様、真面目に働くFtMもいれば、そうでないFtMもいるし、モテるFtMもいれば、非モテFtMもいるのです。この連載では、現在トラック運転手として働く琥太朗が、これまでいかにして女性を食いまくってきたのか赤裸々に告白していきます!


こんなキス、したことない......

「ベンツのダッシュボートがオモチャ箱」前編はこちら

「ベンツのダッシュボートがオモチャ箱」後編はこちら

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 車は大きな街道を少し走ってから、薄暗く細い道を入っていった。
 
 くねくねした道をしばらく走っていくと、あたりはとうとう真っ暗になってしまった。内心、どこに連れて行かれるんだろうと不安になったが、結局、車に乗った時点でオレの身柄はお姉さんに握られてしまっているのだ。要は「まな板の上の鯉」状態だ。仮に途中で車から降ろされても文句は言えない。なのでオレはなるべく通ってきた道筋を覚えておくようにした。

 オレは昔から道を覚えるのが得意なほうだが、それでもこの暗い道で目印を見つけていくのは至難の業だった。

 その間お姉さんはほとんど話さなかった。オレも無言だった。

 20分くらい走っただろうか、目的地らしき場所でお姉さんはようやく車を停めた。そこはうっそうとした雑木林の中で、奥が少しだけ開けていて車一台くらい停めておくには問題ないが、他には何もない場所だった。

「えっと......、ここですか?」

 オレはたまらずお姉さんに聞いた。伝言ダイヤルで知り合った以上、ヤることは決まっている──そう思っていた。でも着いた場所はホテルではなく、誰もいない真っ暗な雑木林だ。

(もしかしてオレ......、殺されちゃう感じ?)

 その時のオレの脳裏には、とても「カーセックス」などという言葉は浮かんでこなかった。

「少しお話がしたくって。こういう場所のほうが落ち着いて話せるでしょ?」

 お姉さんはシートベルトを外して、こちらを向いた。

 その切れ長の瞳がとてもきれいで、オレは胸は急にドキドキしはじめた。つい数分前まで殺されるかもしれないと心配していたのに、我ながら現金すぎる。

「それにしても良い車ですね。ベンツなんて初めて乗りましたよ」
「あら、ありがとう。初めてのベンツがこの車だったなんて、ラッキーなのかな。このベンツは日本に5台しか入ってないのよ。これがその1台なの」
「えっ!? そうなんですか!? じゃあすごく高いんじゃないんですか?」

 日本に5台だけなんて、めちゃめちゃレアな車だ。確かに言われてみれば、外見はいわゆるベンツでも見たことがないデザインだった。当時、大好きだったバッドマンカーを思わせるフォルムで、かの有名なスリーポインテッドスターのエンブレムが付いていなかったら、この車がベンツとは気づかない人も多いのではないだろうか。

「ふふ......、車好きなの? そうねぇ、この車1台で都心のマンションが買えるかしら。まぁでも、フェラーリよりは安いから♡」

 お姉さんは無邪気に笑いながらそう言うと、オレに顔を近づけてきた。

「あなた、近くで見ると、とってもきれいな顔立ちなのねぇ」
「あ。ありがとうございます」
「なんだかもったいないわね」

 一瞬、お姉さんの言葉の意味が分からずキョトンとしていると、すかさずお姉さんはオレにキスをしてきた。いきなりの展開で戸惑っていると、お姉さんの舌がオレの唇をこじ開け、口の中に侵入してきた。それは、まるでヘビのようにウネウネとオレの口の中で暴れた。そして、お姉さんはキスをしながら、手慣れた様子で助手席のシートを倒した。

「ちょっ、ちょっと待って!」

 オレは多少の身の危険を感じて、上に乗ってくるお姉さんの身体を押した。

「あら、怖くないわよ。大丈夫! 私に任せて♡」

 そう言いながらお姉さんは、オレの身体の上にのしかかってきた。身体が熱い。

 そして、フリーズしたままのオレに再び熱烈なキスをしてきた。今度はさっきのキスよりも長くて濃厚だった。お姉さんの長い舌が、オレの舌に絡まっていた。

「もっと......舌を出して......」

 お互いの唾液が、お互いの口の中で混ざり合う。オレはお姉さんの唾液に溺れそうな幻覚を見ていた。息苦しさで、脳内にドーパミンが大量に分泌されているのが、ありありと分かるようだった。気付くと、オレはお姉さんの言うとおりに自分の舌を突き出していた。

「ふふ......イイコね♡」

 お姉さんはオレの出した舌を、まるでペニスを咥えるような感じで、パクッとしゃぶり始めた。軽く吸いながら、しごくように上下に唇を動かし始めた。これはオレも初体験だった。舌と舌を絡めるよりも卑猥な感じがするし、何よりそれまで体験したことがない気持ちよさで、オレは一気に下半身に血が集まるのを感じた。

 舌の両脇の部分が、お姉さんの唇の裏側の粘膜に包まれ、柔らかな刺激がオレを襲う。もう何も考えることができない。それくらい、舌の刺激に脳が支配されていた。

「こういうの、初めてなんだ? 気持ちいいでしょ?」


後編へ続く

   



kotaro_profile02.jpg著者近影(手前) ちなみにお母さんはご覧のとおり美人


琥太朗(こたろう) エイプリルフール生まれ。おギャーッと生れてきたは良いが、母親の腹の中にチンコを忘れてきてしまった先天性FtM(性同一性障害者。女→男)。父親の強烈な女好き遺伝子をきっちりと受け継ぎ、10代後半からその才能を開花させる。現在はホルモン注射のみの治療だが何一つ不自由なくFtMとしてエンジョイライフを送りつつ、トラック運転手として日々荷物と格闘している。