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FtM琥太朗のYARICHINダイアリーズ 第6回 「ベンツのダッシュボードがオモチャ箱編①」

ベンツのダッシュボードがオモチャ箱編①

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女性のヒモ歴ン十年。サオはなくとも、貢ぐ女には事欠かない。
そんな「身体は女性、心は男性」の琥太朗が、
女心を鷲掴みにする㊙テクニックを大公開!
この連載を読めば、モテること間違いなし!?

編集部から
FtMとは、Female(女性)to Male(男性)の略称で、ひらたくいうと「身体的には女性に生まれついたけれど、自分は男性である、と思っている人」のことです。水商売で働くオナベさんも広い意味ではFtMに含まれるそうですが、オナベ=FtMというわけではありません。水商売以外で働くFtMもいっぱいいるし、なかには同僚にFtMと気がつかれていない人もいます。他の社会と同様、真面目に働くFtMもいれば、そうでないFtMもいるし、モテるFtMもいれば、非モテFtMもいるのです。この連載では、現在トラック運転手として働く琥太朗が、これまでいかにして女性を食いまくってきたのか赤裸々に告白していきます!


伝言ダイヤルでナンパした女が実は!?

「ベンツのダッシュボートがオモチャ箱」中編はこちら

「ベンツのダッシュボートがオモチャ箱」後編はこちら

 あれは20歳くらいの頃だったと思う。

 その頃、流行っていたテレクラや伝言ダイヤルに何となく興味を持ち、たまたま目にしたレズビアン専用伝言ダイヤルを試してみようと思ったのだ。伝言ダイヤルで色々なメッセージを聞いていき、良さげなメッセージに自分の伝言を残すと、約10分で電話がかかってきた。

「もしもし初めまして。伝言聞いて電話したんだけど、いいかしら?」
「初めまして。連絡待ってましたよ」

 そんな会話のやり取りから始まって、お互いの容姿や好きなタイプなどを話した後、いよいよ確信に入る。

「私はあなたの事気に入ったけど、会えるのかな? ちなみに私はタチだけどね」
「大丈夫ですよ! こっちも年上がタイプなんで」

 そのお姉さんはオレより年上で、話し方もとても色っぽく品があった。見た目は、その時流行りの女優の常盤貴子に似てるとのことで、オレの好きな女優だったから直ぐに会いたくなった。

 ちなみにレズビアンの「タチ」とは攻め役のことで、逆に受け役は「ネコ」と言っている。オレはレズビアンではないし、心は男なので、一瞬どうしようかと迷ったが、会ってしまえば何とでもなると軽く考え、会う約束をしたのだった。

 数時間後、電車で待ち合わせの駅まで行き、通りに出ると、1台のかっこいいベンツがハザードをたいて停まっているのが目についた。電話ではお姉さんが車で駅まで迎えに来てくれると言っていたが、車種やナンバーまでは聞いていなかった。通りにはベンツの他にも数台の車が停まっていたが、どれがターゲットの車か分かるはずもなく、とりあえずしばらく様子を見ることにした。

 やがて、数台の車は通りを離れ、ついには最初に目に留まったベンツだけが残った。

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(まさか、あのベンツなのかなぁ......)

 次第に夕闇が迫ってきて、ベンツの中に誰が乗っているのかはこちらからは見えないし、たとえ見えたとしても、それが約束したお姉さんとはかぎらない。

 それに偏見かも知れないが、伝言ダイヤルで女漁りする人がベンツに乗っているイメージがなかったのだ。
 
(さて......、どうしたものかな)

 ベンツを見ながら思案していると、ドアが開き運転席から女性が降りてきた。そして、こちらに手招きをしてきた。
  
(マジかよッ!)

 オレは安堵したが、同時に驚きもした。お姉さんが乗っていたのは、車好きなオレでさえあまり見たことのないような、高級クーペだったからだ。

 そして、そんな高そうなベンツから出てきたお姉さんは、色気が匂い立つようなエロい美女だった。

 お姉さんに促され、助手席のシートにすべりこむとさらに驚いた。シートは総革張りのレザーシート、インテリアはブラウンのウッドで統一されており、いかにも「高級車」という雰囲気が漂っていた。さらにシートに身を沈めると自動的にシートが動き、最適なポジションに合わせてくれるのだ。(さすがに、高いだけのことはあるな)と変なところにオレは感心した。そして、こんな高級車で登場してきたお姉さんは一体何者なんだろうと一瞬、不安がよぎった。

「電話で話したけど、一応初めまして。会った印象はどう? 大丈夫かな?」
「全然大丈夫ですよ! めっちゃタイプな感じです。こっちはどうですか?」

 ルームライトで照らされたお姉さんの横顔は美人で、確かに常盤貴子にも似ていたが、それ以上に大人っぽく端正な顔立ちだった。髪はショートで、あごのラインがとてもシャープで綺麗だった。

「あなたも良いわよ。ボーイッシュなところもなんだか可愛くて好きよ」

 お姉さんはオレの頬にそっと手を当てて、オレの瞳をのぞき込みながらそう言った。お姉さんのオーラに気圧されて一瞬、オレの呼吸が止まる。そんなドギマギしているオレを楽しそうに一瞥して、お姉さんは静かにベンツを発進させた。

中編へ続く

   



kotaro_profile01.jpg著者近影 最近ちょっと太り気味


琥太朗(こたろう) エイプリルフール生まれ。おギャーッと生れてきたは良いが、母親の腹の中にチンコを忘れてきてしまった先天性FtM(性同一性障害者。女→男)。父親の強烈な女好き遺伝子をきっちりと受け継ぎ、10代後半からその才能を開花させる。現在はホルモン注射のみの治療だが何一つ不自由なくFtMとしてエンジョイライフを送りつつ、トラック運転手として日々荷物と格闘している。