俺の、最後の獄中絵日記 第89回

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は、北海道の月形刑務所で服役中。関東で生まれ育った武二郎にとって、真冬の北海道は目新しいものばかりだった!



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2013年(平成25年)3月29日


保護司からの手紙が届いた。

差出人の名前に覚えはなく、色々考えながら封を開けると自己紹介の文から始まる内容が目に飛び込んできた。

使っている押し花の便箋や言葉の言い回しから、保護司といったら男性と思い込んでいた俺の間違った思い込みはすぐに改めさせられた。

住所を見ると、歩いても俺の家から15分あればたどり着けそうな場所だ。

なにより釈放前に保護司からコンタクトがあったのは初めての事なので驚いた。

手紙の内容は、今回、俺の保護司を担当するという事から、お袋が柄受けを承諾してくれた経緯、そして何よりありがたかったのが、お袋の最近の生活の様子を親切にも知らせてくれた事だ。

ここへ来てからほとんどの知人との手紙のやりとりを不許可にされてしまったので、長らくお袋の様子を詳しく知る事ができなかったのだ。

体の具合もよろしくなく、手の震えのため手紙を書けないお袋の様子を、詳しく知る事ができてありがたかった。

この保護司との交通が、俺の目指す仮釈放への道に良く影響してくれるかどうかはわからないが、今回のお礼を含め挨拶の返信はしてみよう。

そして今後もお袋の事を気にかけてくれるよう頼んでみます。

これで心配事は少し減った。