>  > 鍵のかけ忘れ厳禁! レイプ犯は「無施錠」の女を狙っている!
今井亮一の「仕事は裁判傍聴です」

鍵のかけ忘れ厳禁! レイプ犯は「無施錠」の女を狙っている!

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犯罪別侵入方法の違いとは

 空き巣狙いなどの「財産犯」は、ほとんどが窓ガラスを割ってカギを開け、侵入する。大きな音をたてないよう、ガラスにガムテープや湿布薬を貼ったり、「焼き破り」といって、バーナーでガラスを焼く手口もある。

 ある男は、同じマンションのいくつもの部屋へ侵入し、空き巣を重ねた。針金を曲げて自作した道具を、玄関ドアの郵便受けの穴から突っ込み、ドアの内側から巧みに施錠を解く手口で。じつは男はそのマンションの住人であり、自分の部屋の玄関ドアで練習したんだという。ほぉ~。

 ところが! 強姦魔や下着ドロなどの「色情犯」は、滅多にそんなことをしない。

 じゃあどうするのか。

実際の裁判はこんな感じでした......

 ◆裁判例:住居侵入、準強制わいせつ

 被告人は20代後半。長めの茶パツで、格好いい青年だ。

 勤務先のレストランで客らと飲酒。明け方、タクシーを自宅近くで降りた。
 当時、妻が出産で里帰りしており、性的欲求が溜まっていた。酔いのせいもあり、抑えきれず、女性の肌に触れたくなった。
 
 タクシーを降りて自宅へ歩く途中、あるマンションが目についた。
 オートロックだった。
 被告人は塀を乗り越え、各部屋の玄関のドアノブを次々と回して歩いた。

 3階の被害者(28歳女性)方の玄関ドアが無施錠だった。

 侵入すると、ベッドで男女が就寝していた。
 被告人はベッドに左手をつき、右手で被害者の臀部付近を触り......。

 眠ってたり泥酔してたり、抵抗できない状態の相手に対して行うわいせつ行為を「準強制わいせつ」というのだ。

 法廷で、若い美人系の検察官が、被害女性の調書を読み上げた。

【調書】
「交際相手とベッドで横向きに寝ていると、お尻と太ももの境に......
ショートパンツの生足......
往復して2回くらい撫でられる感じ......
目が覚め、触っているのが交際相手でないと思い、
とっさに『わー!』と声にならない声を出した」

 すると、「ベッドの足下にうずくまった人影」が玄関へ逃げた。交際相手がハネ起きてすぐ追いかけ、捕まえた。

 被害女性は事件後、誰かが部屋に侵入してくる夢を見たり、ストレスで体調が悪くなり、全身に湿疹まで出たという。

【調書】
「なんで私なのか。なぜ私が被害に遭わなければならないのか」

 直接的なことを言えば、「玄関ドアが無施錠だったから」。

玄関ドア.jpg

ドアをロックしなかったばかりに......(写真はイメージです)

 被告人は前科・前歴なし。慰謝料を130万円も払って示談したという。

 留置場管理の警察官に両側を挟まれて被告人席に座り、魂が抜けたように、静かにうなだれていた。

 求刑は、懲役2年。
 判決は、懲役2年、未決20日算入(※1)、執行猶予4年(※2)。