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「住所貸してくれませんか?」プレミアム化するジャニーズチケットの闇

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 あなたは「住所貸し」というバイトをご存知だろうか?
 
私は以前「住所を貸してもらえませんか?」と声をかけられたことがある。その声の主は若い男性で、一見礼儀正しくまじめな印象。しかし香ばしい匂いを嗅ぎとった私は詳細を聞いてみることにした。
 それはどうやら「ジャニーズ事務所のファンクラブに入会するために複数の住所を必要としている」という事のようだった。


ハイプレミアム化するコンサートチケット

ファンクラブ申込書.gif

ファンクラブには郵便局の振込用紙を使い申し込む。(johnnys-netホームページより)

 ジャニーズ事務所には多くの男性人気アイドルグループが所属しているが、そのファンクラブには、本来一人一口しか入会できないシステムになっている。そしてファンクラブ会員にならないと入手すらできないコンサートチケットは、プラチナチケットとして常態化。熱心なファンは複数の名義でファンクラブに所属し、チケットの当選確率をあげようと考える。

 当然そういう市場が生まれればチケットの転売を考える者が出てくるのも自明の理。最前列の席や狭い箱(会場)になればなるほど、そのチケットはオークションサイトなどでン十万といった価格で取引されている(とくに仙台などは席数が少なくハイプレミアム化)。

 そこにつけこんで生まれたのが、この「住所貸し」なのである。この男はそういうものをまとめるブローカー的な役割なのだろう。

チケットビジネスの実態

 男からの具体的な依頼は下記の内容だった。

1.郵便物の代理受取と男への転送
(転送するものはファンクラブ会員証、コンサートに当選した場合のチケットor申し込みに落選した場合の郵便為替等。会報などは転送せず処分してかまわない)

2.入会予定ファンクラブは、嵐・関ジャニ∞・Kis-my-ft2・NEWS・山下智久・SEXYZONE、Hey!Say!JUMP等


※編集部補足
通常コンサートのチケットは、申込時にチケット代金を先払いしなければ申込み完了にならず、抽選の権利も得られない。しかし抽選に漏れてしまった場合、ジャニーズのファンクラブはそのチケット代を郵便為替で返金している(しかも手数料を引いて!)。つまり住所を借りた者がチケットを申し込んだら、住所を貸した者へチケットか郵便為替かのどちらかが送られてくるということである。

 また、男は下記のような条件を付けてきた。
・利用させて頂くご住所は他の方へ重複で貸出しないこと。
・番地、同一部屋番号違いもNG。

 そしてさらに、「他にも住所を貸してくれそうな人を紹介してくれませんか?」とも。なんとなく面白そうでもあったので、念のため知人の住所を使って(笑)依頼を引き受けることにしたのだが、気になる契約条件(報酬代金)は、

・1通に付き1,500円+発送費用
・初回転送時、送料・手数料・前金2,000円をお支払いします。
・1年契約でお願い致します。
・1年契約後8,000円を別途お支払いします。
・会員証、チケット、返金為替などは簡易書留にて発送をすること。

と、決してオイシイというほどの金額でもなかった。オークションサイトで売られているチケットの金額を考えれば、バイヤーはボロ儲けだろう。

 そして、

未だ郵便物は届かず、もちろん振り込みもない。

ポスト.jpg

おいしい副業にはご用心を(写真はイメージ)

 ネット上の便利屋系ポータルサイトなどには、このような裏バイト情報があふれているが、現代において赤の他人に個人情報を渡すことは「ぼく日本人です」とプラカードをぶら下げてイスラム国支配地域へ丸腰で入国するようなもの。一見の人間にむやみに住所や名前を知らせることは避けたほうが賢明なのは言うまでもない。


(取材/文=アヒル隊長)