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【R-ZONE埼玉】

埼玉の秘境にあるオタクの聖地に潜入

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 埼玉県の西部にある入間(いるま)。
 ここは元々お茶畑しかなかったような土地だが、近年巨大なアウトレットモールなどが建設され、今ではまるでそれが入間市を象徴するモダーンなイメージとして定着しつつあるのだが、実はここには、アウトレットなんかより1000倍濃くて深くておもしろい「ディープ入間」とでも言うべき濃密な空間が存在するのだ。今回から数回にわたって、入間という土地の濃度の濃さをご紹介したい。
「ディープ入間」シリーズ第一回は、西武池袋線入間市駅の隣にある仏子駅。


オタクの聖地ここにあり

仏子駅は飯能と入間中心部の真ん中にある地味すぎる駅なのだが、この地味な駅に埼玉県西部のオタク文化を一手に担う聖地とでも言うような非常に濃い喫茶がある。

「Cafe でぃっしゅ」

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一見、なんの店かわからない外観

 このカフェの特筆すべき点は、なんといってもマスターの博識ぶり。

 ご本人曰く「オタク。特にアニメ関係と軍事方面が専門分野」との事だが、話してみると世の中の森羅万象に精通していると言っても過言ではない印象。世の中の裏話が好きなら一人でぶらっと入っても、マスターと話しているだけで数時間はあっという間なのだ。

 例えば『ゴジラ』の話。
「ゴジラの存在そのものが、自然現象、自然災害だって知ってました? 文明への脅威。だから、ゴジラは自然現象なんですよ」(マスター)

 そう言われてみると「ゴジラ」がとても深い映画に思えてくる。

「ゴジラに必ず自衛隊が対応するのは、ゴジラそのものが自然現象だからなんですよ。日本で自然災害が起きると自衛隊が出動するのと同じで、ゴジラ=自然災害なので自衛隊なんです」(マスター)

 なるほど!と思わされる話である。さらにマスターの映画論が続く。

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照れ屋なマスターでもある

 シルベスター・スタローン主演の「ランボー」。
「ランボーのトレードマークの機関銃、あの銃は両腕で扱わないと無理な武器なんです。だけどランボーは片手で撃ちまくってるんですよ。この演出に気づいた日本人ってほとんどいないんじゃないですかね。だけどアメリカ人で銃に詳しい人間なら、あの銃を片手で撃つランボーを見てたまげたでしょうね」(マスター)

 映画「ランボー」にそんなマニアックな演出があったとはしらなんだ。

食へのこだわりも一級

 マスターの博識ぶりもさることながら、このお店のもう一つのセールスポイントは「食事の美味しさへのこだわり」。凝り性のマスターが常に新鮮で旬な食材を仕入れており、その季節で最高の食材が食べられるのだ。〆サバ、牛肉、鮭など、どれも最高の品質ゆえ素材重視、味付け少々という調理法。しかも一品あたり500円前後と破格の値段。仏子界隈で本当に美味しい料理が食べたかったら、迷わず「でぃっしゅ」をお勧めしたい。

オタク話に深夜まで花が咲く

 余談だが、話題がアニメ『けいおん』に及んだとき、私とマスターの意見が一致した瞬間があった。唯ちゃんが持っているギター「レスポール・スタンダード」についてである。「(唯ちゃんにあれを持たせるのは)ずるい」というのがマスターと私の一致した見解だ。

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店内の内装もモデルガンが飾られるなどオタク好み

 何がずるいかというと、あのギターはバンドを少しかじったことがあれば誰でもわかる、あこがれのギター「ギブソンレスポール・トラディショナル(?)」なのだ。レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュなど著名ギタリストが好んで弾いていた名品。その価格は約30万円! そんな高価なギターを唯ちゃんは『けいおん』ではなんと、5万円で簡単に入手してしまうのである。安い。あれはずるい。他にもあずにゃんのギターが「サンダーバード」なのは狙いすぎだという話になり、結局バンドをやっていない憂が最高だという事になった。

 そして萌え系アニメの女の子の性格について、「あの子はいい子だよね」「そうですね、付き合ったり結婚するならあの子ですよね」と、夜が更けるまで真剣に語り合うアラフォー親父達の姿がここにあるのであった。


Cafe でぃっしゅ
〒358-0053 埼玉県入間市仏子879-17
電話:04-2936-8990
営業時間:11:00~24:00


(取材/文=須藤鑑)