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郊外でなぜか再流行するアングラ風俗の謎

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 風俗について景気のいい話をまず聞かない。

 最近、とある情報誌の取材を受けたおり、援デリが蔓延し過ぎて、プロの仕事として意欲的に風俗に従事する女の子が減っているのではないか、という話も出た。

 だが、女の子ばかりを責められない。

 路面店が軒並み摘発され、今や風俗はデリヘルやホテヘルが主流。昔ながらのスタイルの風俗はせいぜい数店のヘルスと大衆のピンサロ、あとはソープランドが数軒......。これが東京の繁華街のピンク模様の現状だ。

 もちろん裏風俗はあるが、それとて、結局は本番ができるデリヘルというに過ぎない。

 と、景気の悪い話を前置きしつつ、実は今、東京の都心を囲む形で新たな風俗が台頭し始めている。

 雑居ビルの地下が、ちょんの間化しているのである。

客引きにこちらから声をかけると──

 それはドーナツのような形で、ざっくり言えば山手線の外にあり、複数の電車が乗り入れるような類の駅周辺に、あちこち存在している。

 看板もない。

 案内所に足を運んでも案内はしてくれない。

 入口は、注意しないとドアに見えない「戸」。

 外からはどんなテナントも入っていなさそうなフロアに、1畳ほどの個室が簡易的に組み立てられて並んでいる。

 もちろんフロア全体が薄暗い。

 この店に入るには、道ばたに立っている男(客引きなのだが、こちらからいかないと〝引いて〟くれない)に声をかけるしかない。

 男は、何も言わずそこに立っているだけなのだが、深夜そのあたりに立っている男は彼しかおらず、あたりには何もないのだから(なにせ郊外なのだ)、「これは何かある」と、勘を働かせるべきだろう。

 「このへんに、おもしろい店あります?」とひとこと話しかければ、男は、あなたを店へと誘ってくれることだろう。

 これらの店の(店という雰囲気はないのだが)作りはどこも一様。

 たとえて言うなら、かつて沖縄の真栄原社交街などに存在していたちょんの間に似ている。

 店に入ると、店員がドアがわりのカーテンを次々とまくっていき、部屋の主である女の子を紹介していく。

 韓国人、中国人、フィリピン人......。

 大抵シャワーがついて、30分1万円だ。

 「もう日本人の女の子で"天使のような風俗嬢"なんていないんです。『風俗なんてやってられない、援交のほうがよっぽど話が早い』っていう発想なんです。たとえば一発2万円として、風俗ならお店に何割か取られるけど、援交なら全部自分で取れるわけですよ。でも、それって高級ソープ並みの収入ですからね。だからもう日本人の女の子には、風俗でがんばるというモチベーションがない。一方、いつの時代にも『援交は怖い、やっぱり路面店で遊びたい』という客も一定数いて、だから、こういうアジア人を使ったちょんの間タイプの風俗が再び流行ってきているみたいなんですね」

 そうこぼすのは風俗専門のスカウトマン。この道、20年以上のベテランである。しかし、彼もプロ。ただ風俗の凋落を嘆いているだけではない。

「アジアの女の子の持つオモテナシ感は、情けないですが若い日本人の比じゃない。アジアンちょんの間のリピーターが増えるのは頷ける話です。なんでもしてくれますよ(笑)」

 近くはないが遠くもない。小旅行気分で、東京郊外にぼちぼちと生まれつつある地下ちょんの間を訪ねてみるのも一興かもしれない。


(取材/文=李白虎)

客引き.jpg

路上で盗撮、奥の人影が客引きだ。