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「新宿風俗今昔物語」援デリが生まれた背景

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出会い系サイトを使った"援デリ"とは?


 援デリとは、出会い系の掲示板を使って素人の女を装って客をとるデリヘルのことだ。

 デリバリーヘルスの原義を考えれば、本質的に援デリを風俗のように扱うことに筆者は長らく抵抗があった。売春を援助交際と言い換えるのと同様に、管理売春をあたかも風俗の一形態かのように言い換えたのが「援デリ」の実態だからだ。

 歌舞伎町のハイジア近くで「あそこに立ってる、携帯いじってるコ、絶対援デリ嬢ですよね。というか、単なる立ちんぼだよね。デリバリーしてないし」などと某実話誌の記者と話していたら、地回りのジャージ姿のお兄さんに注意(恫喝)された経験もある。

 西武新宿駅近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいると、 テーブルの上に何台もの携帯を置いた男女4人の客がおり、その中の男の1人が「パチンコ屋のとこいるから行って」と言って、女の子が出て行くのを目にしたこともある。

 男はその間も、出会い系サイトの掲示板に「仕事終わりのナースです。今から」とか「何度も回数求めちゃう女って嫌いですか」といった書き込みをし続けるのだ。

 どんなに生々しい書き込みだろうが、いざやってくる女は書き込みの内容を確認すらしていないのが一般的で(それが風俗という仕事なら、話の辻褄くらいは合わせる企業努力があってしかるべきだろう)、いざ会ってみたら何度も回数を求めるどころか、ただの一度やるのすら面倒くさそうだったという話もよく聞く。


競争が生んだ様々なプレイ


 「もはや懐かしいくらい昔の話ですが、歌舞伎町浄化作戦以前、デリバリーヘルスが主流になる以前の店舗型風俗店が軒を連ねていたときには『本番』こそなかったものの、今思えば、わけのわからないサービスたくさんありましたよね。部屋で目隠しして寝ている女の子をローター使って夜這いするコースとか、反対に先に男がシャワーを浴びて部屋で目隠しして待ってる逆夜這いコースとか(笑)」

 とは、歌舞伎町を中心に風俗店を体験取材して回っていた風俗誌のカメラマン氏。今でも大手の(援デリではない)デリヘルで似たようなサービスを提供しているところはあれ、結局男がラブホテルに入って待機している状態なので、店の個性は出にくいという。

「昔は狭くて薄暗い部屋で、本番禁止。『金100万円頂きます』とか貼ってあって、入口にはその禁を破った男のポラロイド写真が貼られてたりして。思い出すと怖いですけどね、懐かしいというより(苦笑)。ただ、店の色は今より如実にあった」(前出・カメラマン)


ジャンルが確立されて多様化する援デリ


 しかし、時が経ち店舗型風俗はほとんどなくなり、老若男女、大部分の人間が携帯電話を持つようになった今、援デリが「女遊び」のワンジャンルとして確立され、この業界にも競争が出てきたという。

「そうだね。うちで使ってる女の子は、野外でできる子は野外で、自宅に男を呼んでも抵抗がない子は自宅でやらせてる。『これから野外でどうですか?』とか、『私の自宅で...』 とかって書き込んで。一昔前は『野外ストーカーコース』なんてオプションを付けてる風俗店もあったんだけどな。部屋でのプレイ前に外で、指名した女の子を尾行してマンションの踊り場で痴漢するみたいな(笑)。野外や女の子の自宅だとホテル代もかからないし非日常感も味わえる。お客さんにとっては一石二鳥みたいで、その子たちは割と人気がある。って言っても、元々素人でそういう書き込みをしてる女の子がいて、それをこっちがパクったんだけど。だから、素人の女の子の発想が一番怖いね」

 そう苦笑して話すのは歌舞伎町の某援デリ業者。確かに出会い系サイトを見ていると、その手の書き込みはチラホラ目にすることができる。ちなみに援デリ業者の大部分はヤクザ直営だとか。

 町から風俗店を排除し、暴力団の直営で野外や自宅の売春を増やしたのでは、一体なんのための「浄化」だったのか。当局の論理はいつだって臭いものに蓋なのだと再認させられる。


(取材/文=李白虎)

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自宅女のバスルームはおもてなし感満載、歯ブラシまで用意されていた